「スピリチュアル?そんな言葉は、聞いたことが無い!」という方は、多分、いないのではないかと思いますが、言葉の意味を、はっきりとご存じでない方は結構いるのではないのでしょうか。
この記事では、スピリチュアル、またはスピリチュアルケアの意味についてご紹介します。
スピリチュアルの言葉の意味とは?
スピリチュアルという言葉の語源は、キリスト教に由来しているものだと言われています。旧約聖書で示される言葉の意味は、神や精霊、魂、精神、超自然的な、ことなどを指しており、シンプルに説明をすると、「精神の」「霊魂の」「宗教上の」「霊的な」という意味だとされています。しかしこの説明だけではスピリチュアルという言葉の真意は尽くせないそうです。
ふわっとした形はできているものの、固まった定義はないようで、そのためかスピリチュアルという言葉は多様に理解され、現在多方面で使用されています。
スピリチュアルケアの意味は看護?
医療の現場では、「スピリチュアルケア」という言葉が使われていおり、WHO(世界保健機関)では、「スピリチュアル」の言葉の意味を以下のように定義しています。
≪1983年のWHO、ガンの緩和ケアに関する専門委員会報告より≫
※『スピリチュアル』とは、人間として生きることに関連した経験的一側面であり、身体感覚的な現象を超越して得た体験を表す言葉である。
多くの人々にとって、「生きていること」が持つスピリチュアルな側面には宗教的な因子が含まれているが、「スピリチュアル」は「宗教的」とは同じ意味ではない。
スピリチュアルな因子は、身体的、心理的、社会的因子を包含した、人間の「生」の全体像を構成する一因子とみることができ、生きている意味や目的についての関心や懸念と関わっている場合が多い。
ケア(care)という言葉は、現在、私達の身近になっている言葉ですよね。広い意味では、お手入れやお世話をする、気配りをしたり、修繕することなどを意味することに使われます。そして、狭い意味では、「看護」「介護」を意味し、「看護ケア」と使われます。ちなみに、看護の英語は、Nursingです。
スピリチュアルケアとは、大まかに言うと、心や魂の健全性を保つことだと言われています。
スピリチュアルペイン
以前は、スピリチュアルケアといえば、霊的なケアとか宗教的なケアという意味合いや使われ方が多かったようです。しかし現在では、霊的、宗教的なものだけではないという認識に移行されています。
人の健康を脅かす「痛み(ペイン)」は、怪我や病気から生じるものだけではなく、孤独や罪責感、哲学的な悩み、生や亡くなる恐怖など様々です。
深い魂の痛み、霊的な痛みをスピリチュアルペインと呼びます。
まとめ
キリスト教が言葉の由来とされている「スピリチュアル」という言葉は、英語圏と日本では言葉から受けるイメージに違いがあるようです。
日本では、「宗教、霊=うさんくさい」というイメージが広がってしまっていますが、現在、医療の現場では、スピリチュアルとは霊的、宗教的なものだけではないとし、心、魂の痛みに寄り添い癒すことなどをスピリチュアルケアとし、ターミナルケア(終末期医療、終末期看護)などに活用しています。
※ 部分は引用文です。